内容証明の注意事項
債権回収の場合、毎月請求書を送っているだけでは消滅時効の中断事由の「請求」にはなりません。(この場合の請求は裁判等による法的請求をいいます。)
内容証明による請求(催告)の場合、6ヶ月以内に裁判等の方法をとれば、内容証明発送の時に時効中断の効力が発生します。
内容証明の発送そのものは簡単ですが、トラブルや法的手段を予想させ、相手にプレッシャーを与える効果もあるので、いつ、どのようなタイミングで、どのような内容で発送するかということがとても重要になります。
この見極めを誤ると、いわゆるピンボケな内容で意味のないものになってしまったたり、場合によっては逆効果になってしまうこともあります。
同じ内容証明であっても専門家が作成したものとそうでないものとでは、その差は歴然としています。必要充分な事項を網羅することは当然として、相手の心理状態や今後の反応を計算しているなど様々な工夫が滲み出てくるのです。
「たかが紙切1枚書くのに何万円もとるのは高い」という人がいますが、決してそうではないのです。それだけの価値はあるのです。
内容証明に限らず法的な文書を作成する場合は、費用をかけてでも専門家に依頼した方が安全でしょう。
【当センターの役割】
なお、専門家といっても私は内容証明だけを取り扱っている専門家ではありません。
内容証明を依頼するということは何らかのトラブルを抱えているはずです。内容証明だけで解決する場合もあるでしょうが、むしろそれだけでは解決しないことの方が多いのです。
内容証明は万能ではありませんので過度の期待をしてはなりません。受取拒否をしたり逃亡したり裁判そのものを無視してしまうという、常識を逸脱するような行動に出る人が実際に多く存在しています。
もっとも「そのような人だからトラブルになるのだ」ともいえますが。
いくら「法律ではこうなっています」「違反するとこのような罰則があります」といっても実務上それが発動されなければ空論にすぎません。実際にこのような事例は多いのです。
当センターでは、内容証明の作成だけを行い「その後のことは知りません」「後は弁護士のところへ行ってください」などということはいたしません。
訴訟を起こすには弁護士に依頼しなければならないと考えている人も多いかと思いますが、決してそうではありません。特殊な場合を除いて、訴訟でも税金の申告でも本来は本人が自ら行うことが原則となっています。ただその知識がないから弁護士や税理士などの専門家に依頼するのです。
実際に合法的にトラブルを解決するには弁護士は万能です。行政書士は裁判の代理人にはなれませんので、本人訴訟の支援をするという形にならざるを得ません。
従って、本人訴訟が可能な事案に限って内容証明をはじめとしていろいろな支援をいたします。但し、法的な限界もありますので事前に十分ご説明いたします。
例えば、当初から勝訴しても差し押さえる物が何もないことがわかっているというような事案では、判決は時効中断だけにしか役立たないかもしれないということを説明し、その上で訴訟を起こすのか否か依頼者と話し合います。
内容によっては裁判に持ち込むことがいい結果を得られるという訳ではないのです。
このような説明をせずに手続きを行ったとしても、依頼者は無駄な費用を負担することになるだけです。これでは依頼者のためにはなりません。
当センターでは、依頼者の抱えている問題が解決するためには、どのような方法が最も適切なのかをきちんと選択いたします。